Starmacks Cafe/ Topics of the Macintosh, and so on...

22.「Tiger ゲット!」編   

※バックナンバーの時間軸は上から下への流れになります。


号外!2.7GHzリリース          4月27日(水) 2005

情報通り、最高2.7GHzのクロックを持つPowerMac G5がリリースされた。ラインナップはDual 2.7GHzを筆頭に、Dual 2.3GHz、Dual 2.0GHz、そして、シングル1.8GHz。う〜ん、ついに、(私の愛機と同スペックの)Dual 2.0GHzが、デュアルCPUモデルの中では下位機種となったか。なんとなく感慨深い。

デュアルCPUモデルにはそれぞれ、2層記録に対応した 16x SuperDriveが付く。ん?二層式っていうことはアレですか、つまり、圧縮することなしに、市販のDVD映画と同サイズ、同スペックの動画が焼けるということですか。たとえば、あんなソフトこんなソフトと組み合わせて使えば…。いや、皆までは言うまい。[圧縮ファイル解凍時の注意事項はこちら]

また、PowerMacのアップデートに伴って、ディスプレイの価格改定も行われた。え?20-inch Cinemaが税抜き価格では9万円を割った!?欲しいかも…。

という事で、最近のAppleはちょっと太っ腹なんである。ところで、例のブツは、世界中で明後日、正式リリースとなる!明日の夜、私は、遠足前の子供状態かもしれない。


今、Pantherを語りたい!(2)     4月28日(木) 2005

さて、間に”号外”を挟んでの続きである。前回、Pantherの隠し機能について書いたが、逆に、「Jaguarまでは隠し機能であったが、Pantherからは普通にGUIから使用できるようになった」という機能もある。

例えば、「スーパーディスクイメージ」がその一つ。この「スーパーディスクイメージ」というのは、容量可変型のディスクイメージだ。通常、ブランクのディスクイメージをある容量で作成すると、そのディスクイメージファイルも容量に応じて大きくなってしまう。

つまり、4.7GBのディスクイメージファイルは、4.7GBの容量を持つ。ところが「スーパーディスクイメージ」では、最初に決める「サイズ」というのはそのディスクイメージの「最大容量」に過ぎず、データをディスクイメージの中に入れなければ、イメージディスクファイルの容量もフォーマット分にしかならない。

因みにスーパーディスクイメージの作り方は、ディスクユーティリティを開き、上部左方にある「新規イメージ」をクリック、そこでフォーマットを「スーパーディスクイメージ」にするだけだ。その際、作成時に決めた「サイズ」より大きなファイルは、そのディスクイメージに入れることができないので注意する。

また、付属ユーティリティはもちろんのこと、様々な通常のアプリケーションも、個人的に、なかなかデキが良いと感じている。スティッキーズ、テキストエディット、プレビュー、…。さらに、”OS付属”ではないけれど、ハードを購入すると付属してくるiLifeは、その、単品での価格からはちょっと予想もつかない程のデキの良さだ。

ただ、それらのメジャーなアプリケーション群は、雑誌等さまざまな媒体で何度も取り上げられているので、ここではあえて、ニッチな付属アプリケーションに焦点を当ててみたい。それは”計算機”だ。

そう、個人的に、私は、このPanther付属の「計算機」がかなりお気に入りなんである。例えば、「今日のドルってレートはいくらくらいだったかな」と思ったとする。そんなときは「計算機」を立ち上げ、まず、1とだけ入力。次に、メニューバーの「換算」から「通貨」を選択する。

Macがオンライン状態にあるなら、そのとき出てきたタブで「通貨レートをアップデート」をクリックすれば、最新のレートにアップデートされる。そうして、「換算前」をUSドルに、「換算後」を円に設定し、「OK」をクリックすれば、その時のレートが表示される。

また、この「計算機」は、メニューバーの「表示」から「詳細」を選択することで、指数や対数の計算、三角関数やそのハイパボリック等、かなり高度な計算を、最高16桁で行うことができる。実際、私はこの「詳細」の機能に気付いてから、わざわざ関数電卓を引っぱり出してこなくてはならなかったのは、arcsin(逆正弦)の計算が必要になった一回きりだ。

と、今までスタマで触れていなかったPantherの機能のうちで、私が気になっていたものを、二回に分けてざっとご紹介してみた。で、明日はいよいよ、"Tiger"なんである。今までの便利な機能はそのまま踏襲し、さらなるブラッシュアップがなされている事だろう。また、64ビットへの対応がより広範になされたことで、G5ユーザには動作速度アップも期待できる筈だ。

もちろん、今までのOS Xのバージョンアップの流れから考えると、G4やG3のユーザにとっても動作の軽減が体感できる可能性は高い。そして、新機能。いよいよ、明日なんである。


スーパーディスクイメージをMacにマウントし、そこへ少数の画像ファイルを入れた状態のスーパーディスクイメージファイル。4.7GBで作成したにもかかわらず、ディスクイメージのフォーマット分プラス画像データ分のみのサイズに収まっている。
「詳細」表示の計算機。かなり高機能。また、「スピーチ」機能を使って、クリックしたボタンや合計の読み上げも可能。


Tigerゲット!                4月30日(土) 2005

昨日、29日の夕刻6時を少し回った頃、私はApple Store, Ginzaの在る銀座中央通りに到着した。Apple Storeへと続く人の列は、その時点ですでに200m程。私も取り敢えずその最後尾へと並ぶ。並んでみてすぐ気付いたのだが、他のイベントのときに比べて、列の進みが早い。

が、しかし、午後7時に近づくと、その進みが明らかに遅くなった。Apple Storeから出てくる人の数に応じて並んでいる人が入れる仕組みになっているのだが、恐らく、7時から3Fシアターにて行われるTigerのプレゼンテーションのために出てくる人の数が減っているのだろう。

結局1時間半程並び、午後7時半頃にようやく入店。ベルトコンベア式に、Tigerのパッケージと”PowerBookの当たる可能性のある”スクラッチカードを手渡された。スクラッチカードはその場で削らなくてはならない。交換が、当日限りという景品もあるからだ。

私は心の中で”PowerBook、PowerBook”と唱えながらスクラッチを削った。すると…、そこには「Spotlightキーチェーン」と書かれていた。因みにSpotlightキーチェーンというのは、ミニ懐中電灯付きキーホルダーである。う〜ん。

さて、会計はいつも通り、何階のフロアで済ませても良いとの事。通常、2Fの会計が一番空いているので、私は真っ直ぐに2Fへと向かう。すると案の定、10分程の待ち時間で支払いを済ませる事ができたのだった。私はついにTigerをゲットしたのだ!

その後、無茶庵(BBS)常連のYokohamacさんと初合流!Yokohamacさんは、私よりずっと先に会計を済ませ、申し訳ない事に、スタバでお茶をしながら私を待っていてくださっていたのだ。昨年12月、私がオフ会を計画したときに、メールで携帯番号を交換していたのが幸いし、ほとんど当日の思いつきであったにも関わらず、なんとか初顔合わせが実現したのだった。

その後、Yokohamacさんとは夕飯とお茶をご一緒する事ができ、楽しく有意義な時間を過ごすことができた。という訳で、PowerBookこそゲットならずだったが、Tigerが正式リリースとなったこの29日は、とても楽しいものとなった。

で、Tigerだが、もうインストールしてあるのだ。というか、実は、この更新は既にTiger上から行っているんである!Pantherとは別パーティションへの新規インストールを行ったのだが、Pantherの入っているボリュームから様々な設定やアプリケーション、ドライバ類までもがインポートできるので、ほとんど何もする事なしに、今まで構築したPanther環境が、ほぼそっくりそのままTigerでも享受できるようになった。

すでに、インポートに伴う多少の不具合も発見したが、すぐに解決する事ができるものだった。で、その話しと、Tiger自身についての話しはまた次回に。


並び始めはこの辺り。日が延びたため、空もまだ明るい。
約一時間半後。日が暮れた頃、ようやくApple Store前まで辿り着く。
店内に積まれたTiger!
会計を待つ人。2Fの列は意外と短い。
これが噂の(?)スクラッチカード。景品交換時に回収されてしまうため、「カードの画像って、逆にレアかも」と思い、写真に納めておいたもの。

ここに"PowerBook"と書かれてさえあれば…。


[追加情報] 最高で、2.0GHzのPowerPC G5を搭載したNew iMac及び、1.42GHz/G4搭載のNew eMacがリリースされました。

[追加情報2] Security Update 2005-005及び、Javaアップデート for Mac OS X 10.3.9、QuickTime 7が利用できます。(これらは、全てPanther向けアップデート)



2つのTigerでTigers!?         5月12日(木) 2005

Tigerをインストールして早10日が過ぎた。私は、時間を少しずつ見つけては楽しみながら弄っている。ところで、無茶庵(BBS)にも書いたのだけれど、愛機PowerMac G5のHDD内、二カ所にTigerをインストールしてある。二カ所へ入れたとはいっても、同一Mac内へのインストールだから(同時にその二カ所から起動する事はできないので)ライセンス的に問題は無い筈だ。

さて、その内訳だが、一つはすぐに今までの環境が享受できるようにPantherからアプリケーションやドライバ、様々な設定等を引き継いだバージョン。もう一つは、今までのPanther環境からの引継ぎ無しバージョンだ。で、引継ぎバージョンは予想以上に(予想通りに?)多くの不具合が出ている。

先ず、周辺機器のドライバ類はほぼ全てアウト。それでもOS X内蔵のドライバがバックアップするので、完全に使えなくなるモノは稀だが、そうなると当然ながら、メーカー純正ドライバの細かい設定は使えなくなる。また、WACOMのドライバのように、Pantherからの引継ぎによって、Tigerを立ち上げた瞬間からアラートが出続けてしまうという物もある。

ただ、そのような不具合も、殆どの場合、メーカー製ドライバを一旦削除してから再インストールする事で解決する。

また、Pantherからの引継ぎによって、Tiger上でSafariが、Flashを使用したサイトを表示しようとすると落ちるという現象を発生した。そして、もう一つ重大な不具合として、テキストがドラグによって選択できないという症状も発生した。

一方、Pantherからの引継ぎなしバージョンでは、現在のところ不具合は全く出ていない。ネット上ではファイル喪失等の重大な不具合が報告されているようだが、それも、近いうちにリリースされる予定の10.4.1アップデータ(コードネーム"Atlanta")によって修正される筈。というか、修正されないと困る。

さて、不具合の話しばかりではつまらないので楽しい事も書きたいと思う。Tigerの何が楽しいかといえば、やはりDashboardだろう。特に、新しいウィジェットを立ち上げたときの様子が面白い。突如として水面に現れた新生物か、はたまたワープしてきたヤマトか!?といった風情。

SafariはRSS対応となり、RSS配信をしているサイトからの新着記事数がブックマークバー等に表示されるようになった。また、読み込みスピードもアップし、HTMLの表示に関してはIEの4倍の速さとの事。

"Mail"はインターフェースが一新し、Entourageチックになったような気がしないでもないが、Spotlightと連携した検索スピードのアップや、添付ファイルとして写真を送る際に、ワンクリックで写真をリサイズしてくれる機能なども装備し、より使い易くなった。

また、H.264コーデックやAutomator等はまだ使ってみてはいないが、それらも近いうちに試してみたい。う〜ん、H.264コーデックか。どなたかiChat AVしてみません!?

[追加情報] iTMSでは音楽ばかりでなくビデオの販売も可能になりました。(が、もちろんiTMSのサービスが開始されている国での話しです…)


現在の起動ディスクはこんな様子。
※クリックすると大きな画像で見られます


光より速く!?               5月19日(木) 2005

先日、ついに、我が家にFTTHが開通した。FTTHとは、言わずと知れた"Fiber To The Home"の略であり、つまりは『広い広〜いバンド幅を持つ、光ファイバーが家庭まで引かれていますよ』という事である。で、このFTTH、広いと言っても、どの位広いバンド幅でインターネットに接続されているのか。

カタログスペックでは「上り下りとも、最高100Mbpsのベストエフォートサービス」という事になっている。ベストエフォートというからには”100Mbps目指して頑張りますが保証はできませんよ”という事だ。例えば、同じベストエフォートサービスのネット接続であるADSLでは、基地局と自宅との距離にもよるが、せいぜい理論値の半分も速度が出れば、まあ御の字といったところだろう。

さて、このFTTH、我が家では実際に、どの位のスピードが出ているのだろうか。先ず、感覚的に言うと、かなり速い。初めて表示するネット上のページでも、あたかもキャッシュであるかのごとく一瞬で表示される。では、数値的にどの位出ているのか。ということで早速、測定サイトへ。

その際に利用したのは、先日、不正アクセスによって一時閉鎖を余儀なくされた、価格ドットコムである。測定ページのプルダウンメニューから、回線:TEPCOホームタイプ 100M、 プロバイダ:So-net、などと情報を入力して、測定ボタンをクリック。待つこと数秒、ムムム…。

そして、表示された画面をのぞき込む。上り88.7Mbps、下り88.3Mbps。凄い。感覚的にも速い速いと感じてはいたが、数値的にもこれ程出ているとは。ほんとに凄いぞFTTH。

ただ、どんなに自宅のネット環境が良くなったとしても、表示の遅いサイトは、やはり遅いんである。つまりは、そのサイトの置かれているサーバの能力以上のスピードにはならない。ちょうど、「自宅の前まで高速道路が来ていても、途中に渋滞しがちな道があれば、その地域からやってくる車は到着が遅れてしまう」ような感じである。

ところで、私の日々の巡回サイトの中で、一番表示に時間がかかるのは自分のサイトなんである。そう、皆さんもお気づきの事と思うが、ここStarmacks Cafeの置かれているサーバが、特に夜になると激遅になる。うーん、これはやはり、自宅サーバにすべきか!?

[追加情報] OS Xアップデータ 10.4.1が利用できます。


回線速度の測定結果。
←クリックで拡大します


Office v.X on Tiger            5月30日(月) 2005

私は、オフィス系ソフトにMS Office for Mac v.Xを使っている。MS Officeに特別な思い入れがある訳ではないのだが、”業界標準”なだけに、Windowsユーザとの書類のやりとりや、自分自身がWindowsマシンで作成した文書等を自宅のMacで開くとき、他の互換ソフトに比べて安心感があるような気がするためだ。

恐らく、Office for Macを私と同様の理由で使用しているMacユーザも多い事と思う。ところで、私は今までのPanther環境も残したままなので、あまり気にせずに、どんどんTiger環境の方にもソフトウェアをインストールして行っていた。つまり、「どうしても使えないアプリがあったらPantherで使うからいいや」的な、お気楽な感じである。

で、お気楽なときは逆に不具合に遭遇しないものなのか、Pantherで使えていたソフトウェアは、大体そのままTigerでも使えていた。周辺機器に関してもクリーンインストールした方のTigerにおいては、WACOMのSmartScroll以外はプリンタ、スキャナ、その他諸々、今のところは問題なく使えている。(SmartScrollが使えないというのは実はちょっと痛いのだけれど)

さて、そんな折りWord v.Xを使う必要が生じた。立ち上げてみると、これがうまく動かない。deleteで消した筈の文字がカーソルに付いて来たり、で、編集機能が変である。Tigerのパッチを当てて、v.10.4.1にアップデートしてみても変わらない。そこで、慌てず騒がず、MSのホームページへ。Officeの方のアップデートパッチで解決するかもしれない。

しかし、Office v.Xのダウンロードページを見るとセキュリティーアップデートパッチしか置いていなかった。それでも物は試し。当てられるアップデートは当ててみるべきだろう。で、ダウンロードのリンクをクリック。ところが今度は回線が遅くなっているのか、はたまたMSのホームページが攻撃にでも遭っているのか、「ダウンロード終了まで2時間」などと表示され、遅々として進まない。

そこで一旦ダウンロードをキャンセルして、回線速度測定サイトへ。チェックすると上下とも相変わらず80Mbpsを超えるスピードが出ている。どうやら原因はMS Japanの方にあったらしい。(先程、もう一度ダウンロードをMS Japanから試みたところ一瞬でダウンロードが終了したので、既に不具合は解消しているようだ)

ならば、と今度はMS USAのホームページへ。左側のProduct Resourcesから、Office Updateを勇んでクリック。するとアラ不思議。MS Japanのダウンロードページに飛ばされてしまった。どうやら、こちらの地域を自動判別しているようだ。

そこで今度は、検索エンジンで直接MS USAのダウンロードページへ飛べないかと画策。キーワードを慎重に選んで、ようやくMS Office for MacのUSAダウンロードページへたどり着くことができた。パッチをダウンロードして当てると、Wordの不具合もあっさり解決した。

この、Office v.XのTigerにおける不具合を見つけた事をきっかけに(?)、その後二つ程、私が持っているソフトウェアにTiger上での不具合を見つけた。一つは、以前、ATOKと一緒に購入したシステムソフト電子辞典。で、もう一つは、今この瞬間も、このサイトを作成するのに使用しているGoLive 6.0。

辞書ソフトの方は、LogoVista社から最新の辞書ブラウザをダウンロードする事で解決。GoLiveの方は作成中の画面をブラウザでチェックする機能がうまく働かない(というか、GoLiveからSafariを関連付ける事もできない)のだが、これはメイン編集画面の”プレビュー”を使う事でお茶を濁している。

GoLiveはCSの次のバージョン辺りでのアップグレードを画策中なんである。

[追加情報] もしかしたら、来月(WWDC!?)辺りに2GBと4GBのiPod shuffleが発表されるかもしれません。



Intel入っテル!?              6月6日(月) 2005

米国時間の本日6日よりWWDC 2005が開催される。会場は昨年同様Moscone West。で、ジョブズの基調講演開始時刻も昨年同様午前10時。サンフランシスコとの時差を考慮すると、つまりは日本時間7日未明の午前2時だ。

さて、毎回、新製品の発表等で楽しませてくれるジョブズの基調講演だが、今回はどんな話しが飛び出してくるのだろうか。iPod shuffle容量アップの可能性を示唆する情報、なんていうのもあるのだが、個人的にはもっとずっと気になる噂がある。

それは、無茶庵(BBS)でも話題になっているが、何年も前から出ては消え、消えては出てくる例の噂である。つまり、AppleがIBMやFreescale(Motorolaの子会社)に見切りを付け、Intel(またはAMD)製CPUを採用する、というアレである。

いつもなら、「ああ、またか」と笑って済ませるところだが、今回はちょっと信憑性があるような気がするのだ。その根拠としては、先ず、CNETthe INQUIRER等、複数のサイトが別のルートから同じ話しを入手している点。二つめは、かつてのジョブズの発言。例えば2002年の7月にも「”今は”MotorolaとIBMのロードマップが良さそうだが、我々の望む別の選択肢もある」と言い切っている。

三つ目は、2003年6月のジョブズによる、「12ヶ月以内にG5を3GHzに到達させる」という公約が守れなかった点。12ヶ月どころか二年を経過した現在も、G5は3GHzには到達していない。これはジョブズに「別の選択肢」を選ぶ決意をさせる十分な動機を与えるのではないだろうか。

ただ、どうだろう。本当にX86系プロセッサへ移行するとなると、互換性その他、犠牲にする物も大きい。実は、かつてAppleはX86系で動作するMac OSを完成させていたが、シェアよりも利益率を優先させる選択をしたため、それをリリースする事は無かった。

また、アプリケーションメーカー側も、X86系チップで動作するMac OSに合わせて、現行アプリケーションを改変する事はさして難しくは無いという。つまり、Appleもアプリケーションメーカーも、X86チップ用ソフトウェアをリリースするための障壁は低い。

とは言え、PowerPCを搭載したMacを持つ現行ユーザは、次期Mac OSを動作させるためにエミュレータ的な環境を強いられ、当然処理スピードは落ちる事になるだろうし、アプリケーションソフトも買い換えなくてはならなくなるだろう。

さて、これらを総合すると、個人的にはIntel採用の可能性は6割強といったところではないかと考えている。今これを書いているのは午前0時も近づこうという深夜。という事は、もしも基調講演で発表されるならば、あと数時間後には結論が出ている筈だ。

私はもう寝てしまうので、結論を見るのは明日の朝。今はちょっと「明日のジョー」の気分なんである。

「明日は〜、ど〜っちだ〜♪」



WWDC2005 基調講演           6月7日(火) 2005

ジョブズの基調講演から一夜が明けた。う〜ん、やっぱりIntelか。Apple USサイト上には、すでに基調講演のQTムービーが公開されていたので、早速観てみた。

内容をざっとまとめてみると、まず売り上げ関係では、

・全世界で109店舗あるApple直営店には、週に100万人が訪れる。そこでは昨年、5憶ドルのサードパーティー製品が売れた。

・iPodは全ての音楽プレーヤの中で76%を超えるマーケットシェアを獲得、1600万個が売れた。iTunesは先月82%のマーケットシェアで、まだ伸びている。iTMSは今までに4憶3千万曲を売り上げた。

・最も最近の四半期でMacは40%売り上げを伸ばした。それに対してPCは10%程度の伸びである。

OS X関連では、

・次期OS XはLeopardと名付けられ、2006年後半から2007年前半にリリースされる。

・今週までに200万のTigerが売れた。16%のMacユーザがTigerを使っている。これはTigerの来年までにインストールが見込めるインストールベースの50%。

・開発者のコミュニティメンバーも50万人に増加した。Dashボード上で使えるウィジェットも現在400以上が利用できる。また、40以上のSpotlightプラグインと、550以上のAutomatorプログラムも存在している。

5年前から、OS XはIntelチップ上でも動作するように作られていた。(ギャー!)

QT関連では、

・本日より、Windows向けのH.264コーデックを搭載したQTが利用可能。QTは既に10億回もダウンロードされている。

iTunes関連では、

・iTunesがPodcastingに対応。

開発ツール関連では、

・Xcode 2.1にはintel用とPowerPC用のビルドを作る機能がある。Universal binaryが作れる。

・Rosetta:既存のPowerPC用バイナリをIntelチップ上で走らせられるように変換する技術。

そして、Intel CPUの採用。これに関するジョブズの言い分は、まあ解る。G5のクロックアップが遅々として進まない事や発熱問題、また、それに伴うPowerBookの性能頭打ち、etc…。基調講演でも取り上げられていたが、IBMとIntelのロードマップを比較したときに、一年後の2006年中旬には、CPUの消費電力1ワット辺りのパフォーマンスはIBMのPowerPCを15とした場合、Intelの方は70にも達するという。

つまりは、Intelを採用した方が(特にノート型Macにとって)得策だという事だ。また、パーソナルコンピュータ用CPUに対する力の入れ方もIBMよりもIntelの方が上なのだろう。長期的視野に立ったときに、Intelへ乗り換えるべき最善のタイミングが今(から2年以内)だとジョブズが判断したとしてもなんら不思議ではない。

だが、私は基調講演での観客の反応には違和感を覚える。そう、ここで思い出さなくてはならない。彼ら観客の殆どは、一般のユーザではない。WWDC、つまり、ワールドワイドな"Developers Conference"(開発者会議)というだけあって、多くはソフトウェア(や周辺機器)の開発者達なのだ。

Xcode 2.1によって、ソフトウェアはOS X for PowerPC上で動作する物であろうと、for Intel用の物であろうと、同じソースから作る事ができる。即ち、ソフトウェアを作る手間はどちらか一つに対応させる場合と全く同じと言って良い。そのために、ソフトメーカー側は開発コストを上乗せする事無しに、Mac OS X for Intel用ソフトウェアにfor PowerPCをバンドルさせる事ができる。

ところが、我々ユーザは、いつか(近い将来)OS X for PowerPCが供給されなくなったとき、OSのアップデートをするためにマシンを買い換える必要が出てくる。そうなると今現在使っているPowerPC上でのみ動作するソフトウェア群の多くを買い換えなくてはならなくなるだろう。よしんば動いたとしてもエミュレータ動作となる事は避けられない筈だ。

新たなソフトウェアの需要が見込めるのに対して、開発側は今までと殆ど同じやり方で(新たな技術を習得するためのコストを掛けることなしに)対応できるのだ。これは、開発者側としては”ウェルカム”に違いない。

私は、個人的には長期的視野に立って、Intelを採用する事に賛成するのはやぶさかでない。しかし、全ての”ユーザ”にとって、WWDCの観客のように”Intelウェルカム”だとも思えない。

さて、それでもAppleの方向は定まった。私もいつの日か、IntelのCPUを搭載したMacを購入するだろう。PowerPCの利点の一つとされていたRISC(単純命令系)だが、本来CISC(複雑命令系)であるIntelチップも、最近は、内部処理のほとんどがもはやRISC的に行われているとの事。

しかしながら、”本物の”RISCチップを使った(恐らく)最後の(かつ最高の)Mac用CPUであるPowerPC G5搭載のマシンを使えた喜びは、私にとって、それでも微塵も減らないのである。



"iCon"ゲット!!             6月16日(木) 2005

私は"iCon"をゲットした。iConとは言っても、皆さんお馴染みのデスクトップアイコンの事ではないし、宗教画(icon、またはikon)の事でもない。それは、先月16日に発売となった、スティーブ・ジョブズ Apple CEOの伝記である。

ネット上で話題になっていたのでご存じの方も多いと思うが、この本は、本当はこの6月に発売される予定だった。しかし、"iCon"と、最初の"i"を小文字、次に来る"C"が大文字で書かれた表記が、"iMac"や"iBook"などと似通っている(というか、わざとそうしたのだと思うが)との理由から、Apple側は表題の変更を求めていた。

しかし、出版社側がそれを認めなかったため、Appleは全てのApple Storeの書棚から、その出版社(John Wiley & Sons社)の本を撤去し、その事がネットニュース等で取り上げられた。John Wiley & Sonsとしては、話題になったこのチャンスを逃す手は無い、という事で、"iCon"の発売日を一ヶ月繰り上げたのだ。

さて、私はその本をAmazon.com (US)でみつけたが、アメリカから購入すると、送料が結構かかる。もう大分前の事なので具体的な金額は忘れてしまったが、以前にJohn Sculleyの自伝、"Odyssey"を購入したときには送料だけで数十ドルかかったような気がする。

そこで、「まあ、そのうち日本のAmazonでも売り出すだろう」と放っておいたのだが、先日Amazon.co.jpでも売っているのを発見。即購入したのだった。

さて、そんな"iCon"がついに手元にやって来た。解説によると、iPodやiTunes、ピクサー社の設立等に関する事から、ジョブズの生き方そのものに関してまで書かれているとの事。今から読むのが楽しみなんである。

[解説] John Sculley(ジョン・スカリー): ”目隠し比較広告”等の手法で、低迷していたペプシ社を一気に引き上げ、コカ・コーラ社とのシェアを逆転させた敏腕経営者。まだ若かったジョブズが頼み込んでApple社に引き抜き、Apple CEOに据えた。その時のジョブズの”殺し文句”「世界を変えるチャンスを取るか、一生砂糖水を売って暮らすか」はあまりにも有名。後にジョブズは、他ならぬ、自分が引き抜いてきたスカリーによってAppleを追われる事となる。

[追加情報] Apple Store U.S.のホームページ上から、PowerMac G5シングル1.8GHzが消えました。Apple Store Japanではまだ買えますが、もう在庫限り!?


手元に届いた"iCon"(写真、右)

左側はJohn SculleyのOdyssey



轟音ファン!                6月26日(日) 2005

最近の関東地方は暑い。梅雨だというのに今週はずっと好天に恵まれ、雨が降る気配も無い。このまま梅雨が明けてしまうのか、はたまた単なる中休みなのか。個人的には「このまま梅雨明け」でも良いのだけれど、雨が降らないと農作物や貯水量に深刻な影響が出ないとも限らない。まあ、余計な心配をしなくても、また来週辺りから降り出すのだろう。

さて、毎年の事ながら、暑くなってくると我がPowerMac G5のファンが轟音発生器と化す。PowerPC 970 (G5)の発熱量の多さは高性能の代償ではあるが、その騒音は、大事なMacが壊れやしないかとちょっと心配な程だ。クーラーのスイッチを入れたいけれど、それはクーラーの内部クリーニングを済ませてからにしたい。

というのも、結婚に伴って引っ越した現在の住居には、各部屋に備え付けのエアコンが初めから付いているのだが、そのエアコンが結構古く、使われていた形跡があまり無かったためだ。入居前の、業者によるハウスクリーニングでもエアコンはノータッチで、フィルタは入居後に自分達で洗浄したが、奥のフィンに汚れが付いているのが見える。

以前、試しにスイッチを入れたときには、直ちにカビ臭が辺りに漂ったのだった。で、内部洗浄を業者に頼むつもりが、忙しさにかまけてとうとう6月も下旬なんである。ところで過去ログを見ると、去年の初クーラーは、なんと5月12日。そのときも私は、我がG5の轟音に耐えかねてクーラーのリモコンに手を伸ばしている。

暑いのも嫌だが、臭いのはもっと嫌だ。そこで、轟音対策として、まず、扇風機をMacに当ててみた。しかし、状況は変化せず。GoLiveを立ち上げるとファンの音が益々大きくなり、熱暴走(しないだろうけど)の恐怖を煽る。それに、G5のファンが回れば回る程、その廃熱は部屋を暖め、私の部屋は益々サウナの様相を呈していく。

その時、私は半ば無意識にパソコンデスクの椅子から立ち上がり、部屋の隅へ…、そうエアコンへと向かっていた。そして、次の瞬間、エアコン本体に収納されていたリモコンを引き抜くと、「運転」のボタンを押した。『ピッ…』というエアコンの動作確認音で我に返ったが、同時に私は全てを理解した。「これでいい」のだ。(←アムロ風に。または、バカボンのパパ風でも可)

その後、エアコンは、宇宙戦艦ヤマトがはるばるイスカンダルから持ち帰った放射能除去装置のごとき素晴らしい効果を発揮して、部屋の温度を下げ、G5のファンを黙らせ、私を快適にした。カビ臭さの方も、しばらく使っていたらあまり気にならなくなってきた。これは単に鼻が慣れただけかもしれないが。

こうして今、私は多少カビ臭い風に吹かれながら、これを書いている。



時代は総天然色へ             6月29日(水) 2005

今を遡ること52年前の1953年、日本で初めてのテレビ放送が開始されたとき、その映像は白黒であった。それから7年後の1960年9月、いよいよカラー放送が開始される。そのときに「色つき画像」を強調するために使われた言葉が「総天然色」なんである。

因みに、当時、「総天然色」は、テレビばかりでなく、カラー映画の宣伝文句としても使われていたようだ。

さて、何の話しかと言えば、iPodである。Appleは本日付けで、今までiPodとiPod photoに分けられていたラインナップを、カラー液晶画面を持ったPhoto表示機能付きに統一し、これを"iPod" とのみ表記する事にした。即ち、白黒液晶画面付きiPodは、”スペシャル・エディション”であるU2 iPodと、iPod miniのみとなった訳だ。

(後日追記)おっと、U2 iPodもカラー液晶化されている!という事は、白黒液晶を搭載したiPodはもはやiPod miniだけになったのだ。(Yokohamacさん、ご指摘ありがとうございます!)この流れからすると、iPod miniも早晩カラー液晶化されることは想像に難くない。そうなったら逆に、私の持っている白黒液晶iPodが「レトロっぽい」とか、「味がある」、だとかで、人気機種に!?などとポジティブに考えてみる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

また、オリジナルのラインナップも簡略化され、20GBと60GBの2種に絞られた。価格は税込みで、20GBが¥32,800、60GBの方は¥45,800。昨年10月下旬に60GBで7万円を超えていた事を考えるとかなり割安に感じられる。ついでに言うと、今回iPod shuffle 1GBの価格も改訂されて¥14,980となった。

一方、iTunesは、”Podcasting対応”のバージョン4.9がリリースされ、今月上旬のWWDC 基調講演でジョブズが使っていたものと同じ機能が利用できるようになった。

iPodとそれを取り巻く環境は、ここ数年でかなりの進化を遂げた。バッテリーの持ちは大幅にアップし、内蔵HDDの容量は増大し、液晶はカラーになった。逆に販売価格は下がり、iTMSはあっと言う間に4億曲を売り上げて、iTunesは高機能化した。

これも偏にiPodが売れて、開発費を多く使えるようになったり、利益の一部を還元して価格に反映させることができるようになったお陰だろう。しかも、その進化のスピードはどんどん速まっているように感じられる。

テレビ放送に「総天然色」の波が訪れてから45年、iPodにも「総天然色」の潮流がやってきた。これは今後の、iPodとその周辺の進化の更なるスピードアップを果たす転換点を象徴しているのかもしれない。

[追加情報] Podcastに対応した、iTunes 4.9が利用できます。

[追加情報2] iPod Updater 2005-06-26が利用できます。


Podcast対応となった iTunes v.4.9を早速インストール。


あっと言う間に5億曲           7月19日(火) 2005

iTMS(iTunes Music Store)からダウンロード販売された曲の総数が、全世界でついに5億曲を超えた。以前私が、ここで「1億曲達成!」の記事を書いたのが昨年7月12日のことなので、この約1年間で4億曲も売り上げた事になる。これは単純計算で1日に100万曲以上。iTMSの売り上げの伸び率を考慮すると、最近の売り上げはそれよりもさらに、もっとずっと多いだろう。

さて、前回、1億曲達成のときに”キリ番ゲットキャンペーン”が打たれていた。そのときの内容は「9千5百万曲目をダウンロードした人から9千9百90万曲まで、10万曲ごとのキリ番で曲をダウンロードした人50人に iPod 20GBをプレゼント。そして、1億曲目のキリ番をゲットすると、17-inch PowerBookと40GB iPod、さらにiTMSからの1万曲無料ダウンロード権、というもの。

で、今回も、iTMSが始動している各国で同様のキャンペーンが行われていた。(もちろん日本はこの中に入っていない)

因みに、今回の”5億曲カウントダウンキャンペーン”では、10万曲ごとのキリ番をゲットした人にiPod mini1台と50曲分のiTunesギフトカード1枚をプレゼント、そして、5億曲目の曲をダウンロードした人には、iPodの希望のモデルを10台と、1万曲分のiTunesギフトカード1枚をプレゼント、さらにColdplayのワールドツアーに4名様を無料でご招待。

うーん、はっきり言って私はiPod 10台よりもPowerBookとiPod 1台の方がいいな。Appleとしては「iPod 10台貰った人が友人や家族にそれらを配る、すると、iPodで聴くための曲が売れてiTMSが益々繁盛!」というのを目論んでいるのだろうか!?はたまた、1万曲ダウンロード権も付いてくることだし、「みんなで楽しもうよ」というメッセージか!?

後者だったとしても、やはり個人的には17-inch PowerBookの方が嬉しい。なぜなら、”分散させるよりかたまりで”貰った方が有り難みがあるからだ。(もちろん、私がiPodを既に持っていて、PowerBookを欲しいと思っているという事情もあるのだが)

言い換えれば、4万円の商品を10台貰うよりも、40万円のものを1つ貰う方が嬉しいのだ。30代以上の人は、かの名作、「宇宙戦艦ヤマト」を思い出していただきたい。最新型の戦艦アンドロメダの持つ拡散波動砲よりも、一点集中型のヤマトの波動砲の方が、敵を撃退するに際して役に立ったのだ。総エネルギー量ではアンドロメダの拡散波動砲はヤマトの波動砲の2倍であったにもかかわらず、である。

話しは逸れたが、iTMSの売り上げはどんどん伸びている、という事なんである。そして、ときどき”キリ番ゲットキャンペーン”を行う。しかし、iTMSサービスの始まっていない現在の日本においては、それに参加する事もままならない。以前にも書いたが、「買わない宝くじは当たらない」のだ。

さて、iTMS Japanの「8月サービス開始」説が、ここへ来て現実味を帯びてきた。遅くとも今年中にはスタートしそうだ。次のiTMSのキャンペーンは7億曲目か、それとも10億曲目か。iTMSによる販売ペースがさらに今後上がったとしても、10億曲目には日本のユーザも間に合う筈だ。その時は、今度こそ私も是非、”キリ番ゲットキャンペーン”に参加したい。

”10億曲目”の賞品は…。PowerBookとiPod、そして、クパティーノのApple本社見学ツアー券(往復の航空券と宿泊付き)、なんてのはどうでしょう!?

[追加情報] OS Xアップデート 10.4.2が利用できます。

[追加情報2] ビデオ再生機能付きiPodが9月に発表されるかもしれません。

[追加情報3] iBookのアップデートが、今週中の早い時期、早ければ今日明日にもありそうです。その際、ワイドスクリーンiBookリリースの可能性を示唆する情報もあります。


iTMSのカウンターが、ついに5億曲に達した!

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