祖父(写真右):明治44年、東京浅草生まれ。隣で座っているのは祖父の弟。私は、この祖父の事がとりわけ好きであった。”宵越しの金は持たない”、気っぷの良い典型的な江戸っ子タイプ。柔道と剣道、そして書道の有段者で、古式泳法免許皆伝。
晩年は、都内のマンションで一人暮らしをしていた。そして部屋の壁には「男の一人暮らしは最高の贅沢」と自身で毛筆にしたためた紙を貼っていた。わざわざそんな物を壁に貼るなんで、本当は寂しかったのかもしれない。
私は大学時代、都内で飲んでいて終電がなくなると、よく祖父のマンションへ歩いて行き泊まったものだった。そんなときの、祖父の私を出迎える嬉しそうな顔が、今でも私の脳裏には焼き付いている。
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